岡山旅行記オフレポ 2017/07/05(水)〜06(木) 
Powers of OKAYAMA 〜メイド文化理論講義、あるいは岡山で模型を段ボール1箱分担いで出雲まで帰る
第3回


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2017年9月19日(火)

もくじ

第1回(前日譚〜第1日到着まで)  

第2回(第1日〜まるまるさんの部屋まで) 

第3回(本記事。夜、居酒屋講義〜第2日)



●旅程

7/5(水)
山奥→出雲市駅→岡山県・備中高梁→
美星町(青空市場、星空公園、天文台、白糸滝):→まるまるさんの家

→(●今回ここから!)居酒屋→ホテル

7/6(木)
ホテル→倉敷方面→大原美術館→二郎系ラーメン屋→模型屋→倉敷駅→出雲市駅→帰宅(●ここまで!)




●居酒屋夕食、百合講義、メイド文化論講義
まるまるさんの部屋を出て、とりまホテルに行って身支度を調えて。そこから、居酒屋(夕食)へGO。GOったらGO。
改めて書きますが、残響はお酒が呑めないひとです。さらに、生物(ナマモノ)が食べられないひとです。魚とか肉とかの生は。つまんない ですね。というか、このあたりで、結構他人と食するときに迷惑をかけてるかもしれないです。すいません。
ただ、そんな残響を気遣ってくださり、まるまるさんはメニューをあらかじめ用意してくださります。ありがたい。何だかんだで一日大移動だったため、おなかが空いていて、お通し(? 正式名がわからん居酒屋作法)のタコとキュウリの酢の物でさえすでに旨く。

まるまるさんに一杯ビールを進め、自分は一杯目のコーラドリンク をグビグビィ、プハァ。このために生きてんな! あな、旨く。
そして絶品の岡山特産の食べ物とともに(ほんと美味しかった)、この場を逃すまいと語る語るまるまるさんとわたしく。電話/Skypeやらでお話したり、Nagaleさんを通して語ることもある間柄ですが、ここまで対面で近しく話したことはない。ということで、中々出来んかったオフレコ話をするのでありました。話がはずむ。意見交換をする。

 −−−意見交換。
 もちろん、残響は三杯目のコーラドリンクで、まるまるさんも結構ビィルを空けなする。しかし「べろんべろん」の方向にはいかず、むしろ場、言説が整理されていくという恐るべき……。
 例えば。

何故か居酒屋で、まるまるさんに、百合講義をしている。東方レミ咲の3つの文脈、百合とレズの順番違い、2010年以降の名作百合エロゲなど。しかも残響さん酒を呑んでない(コーラのみ) pic.twitter.com/tkqPrA6LGx

— 残響 (@modernclothes24) 2017年7月5日


 なんで自分は岡山にまできて、百合講義をしてるのか
最近の百合シーン、ゼロ年代以降の百合ゲーの概略・鉄板名作だとか、東方レミ咲(レミリア×咲夜さん)カプの隷属・う〜☆ロリなどの3パターンだとか(超専門的)。まるまるさんも百合に関心をお持ちでいらして、これはしっかり語らねばならない、と思った残響、しっかり語りましたよ。
 

そしてここからが凄かった。まるまるさんと言ったら「メイド」趣味であられましてそんなまるまるさんの超絶文化理論的メイド講義を拝聴。
なにせまるまるさんが最初に仰るのが、
「概略は、今まで何度も語ってきたので、説明自体はスムーズに出来ます」
 とのっけから仰るこの恐ろしさよ。なんということだ。メイド熱は鋼のごとき鍛錬を経てきてるのか。
以下、箇条書きにて失礼しますが、

・森薫「エマ」は聖典です。あそこまでやってくれないとやはり。
・メイドは文化の中で存在しているべき存在。メイドが居るだけでは×。その上、「主人」の品格というものも大事で、故にきちんとした教養をメイドも兼ね備えていないといけない
・館重要。文化背景超重要
・抑圧性の中で見える美、というものがどうしても必要
・記号としてのメイドじゃないんだ、それは物語であり、「理由のある文化体系」なんだ
・エプロンドレスひとつとっても、それが生活仕事で使われながら、ドレスの部分のシックさが「主に仕える者」としての気品を求められ……

……等々。

まる:「いや、酔っ払いの戯れ言ですけどね」
残:「こんな文化論講義、 大学以来聞いたことねぇ」

積年のクンフーを積みしオタク先達を前に、そんな風にして夜は過ぐ……。


●翌日 (2日目)

そんで、昨日居酒屋ごはんからホテルに帰ったあと、シャワーの後の記憶がない 。ベッドで気づいたらモーニンググローリーの光さわやかに静かに。ああ……今日も暑くなる……(すでに暑かった)
ホテルで朝食後、まるまるさんと合流。今日一日、時間を残響との観光のために空けてくださったというありがたさ

というか、前のNagaleさんとの北海道旅行のときもそうですが。シグシグさんや義実さんがM3に来てくだすったこともそうですが。皆さんほんとありがたすぎますよ……。こうして、時間を空けてくださる、というのは。ほんとに。

車を運転してもらい(残響は車の免許をまだとってない)、一路倉敷 へ。
……の前に、コンビニで朝食、パン&コーヒーをまるまるさんに勧める。というのも、

宵闇

(八房龍之助『宵闇眩燈草紙』6巻・シホイガン編より)
これをやりたかったのさw

まるまるさんの好きな音楽を聞きながら(残響も手持ちのデスメタルを流そうかと思ったけど、車のスピーカのプラグが合わなかった)、高速を経て倉敷へ
倉敷……全国屈指の観光地として有名で。とみにそのイメージは、これから向かう駅周辺の「美観区域」 によるものと思われます。車の往来も多く、やはり都会なりしところでした。

さて、まず模型屋

……をい。
いや、すいません。結局、全国を巡って、自分が行きたがるとこって、こういうところなんで。まるまるさんにも事前にそれを申していて。
ところが、まだ朝10時前。以前よりまるまるさんが「良いんじゃないか?」と思われていた模型屋さんはまだシャッターが閉まっていて

それならばしょうがないということで、後回し。じゃ先に美観区域へ。駅の周辺で車を止め、そこからちょい歩きます。
一般的な駅の周辺……から、だんだんと京都のそれを思い返すような風情を感じさせ……美観地区突入……おお、この古き町並み、良いですねぇ。

そして、今回バーザム以上(比較すなよ)の圧倒的衝撃だった「大原美術館」 へと行きます。
ここは、特にまるまるさんのお気に入りミュージアムで、全国でも「これほどの個人私立の美術館はすごく珍しい」というところ。
そういえば久しぶりに美術館行くなぁ……と思って、のんきに足を運んでみました残響さん。


……
!!!!!
…………
!!!!!
………………。

すごかった。 パワーというか、オーラに、入った瞬間圧倒された。
詳しい詳細はちょっと記事をわけてまたの機会にしますが (この記事を書いてるのは、一ヶ月以上経ってのことですが、あの衝撃はまだ覚えている。必ず書きます)、あまりにすごすぎた。芸術の波動。入った最初の部屋からして自分の好きな印象派の絵が次から次へと、昔画集で見た絵が、ええっ何で日本のここに、みたいなのが次々で、やがてそれは自分の過去の芸術遍歴を思いっきり思い返すとともに、現物のパワーによって印象がガラっと塗り替えられ……(日本語がおかしい)

あまりにいろいろありすぎて。図録も買いましたから、それを参照しながらまた記事書きますが、
・モデラーとしての残響は、今なら昔ピンともこなかった彫刻……とみにロダンの圧倒的天才がわかりすぎて恐ろしい
・絵画、その現物はパワー。写真ではそのパワーまでは伝わらなかった。
・ただ、日本の器(工芸)や、東洋の歴史的遺産、は、自分のレベルの低さにより、良さがよくわからなかった(正直)。これは単に自分の見識の低さの不明なので、もっとレベルを上げていきたい。

隣接するエル・グレコという、何かの作品のモデルになったという喫茶店 (なんの作品だったっけ……あまりに美術館が凄すぎて覚えてない)で、小休止。

まる:「気に入ってくださって、自分も嬉しいです!」
残「いや……アハハ……すげえ……ぶちのめされて言葉も出ない……」

アート。芸術。美。それはパワー。

自分も小説やら音楽やらの創作をする立場として……まあ、この創作は自分のたのしみとしてやってるものではありますが。しかし、作品にここまでのパワーを込め、表現するとなると、それはもの凄いとしか言いようがなく。
ともかく、大原美術館は、絶対また来ます(約束)。 このすごさは、もっと通い詰めないとわからない。まだ「さわり」だけしか触れてない……!


そして、ラーメンを食べに昼食へ(大原美術館の余波で日本語がおかしい)。
まるまるさんお気に入りの「やさしいスープ、野菜を多く食べられるラーメン」ということで、なんと二郎系のラーメン屋に。
(※ フォロワーさんからの指摘で、自分は「家系」と「二郎系」をごっちゃにして覚えていた錯乱をカマしていたことに気づきました。本記事UPで過去記事訂正してます)
地獄というか魔王というか、そんな名前ののっけからオーラを感じさせるラーメン屋に。

ここで。
残響は島根に住んでまして、二郎系のラーメンを一回食べたことがあったのです。すげえまずかった 。こりゃない、ってぐらいしつこくて参った。
だから、大丈夫かなーと思っていたのですが。

もちろん二郎系ということで、すごい野菜の量、そしてニンニクでしたが(マシマシ!)、まるまるさんの仰ってたように、やはりスープが優しい 。まるまるさんはガッツリいろいろ追加を行ってたようですが、自分は普通ノーマルでちょうどよかった。結構普通においしかったです。島根のアレはなんだったのか……


ということで、しっかり昼食を食べて、向かうはさっきの模型屋さん 。(メディオ系列)

まずは中古売り場から……さて。……ジュルリ……(獣を品定めする雑食モデラーの瞳)

・HGガンダムレオパルド
・HGガンダムエアマスター
・HGアストレイ・ゴールドフレーム天ミナ
・SD三国伝呂布トールギス&董卓ザク
(以上、店頭販売の完成品)
完成品

・キューボッシュ FAガール スティレット
・ドール用の服×2


次に新品とかの模型

・HGバーザム
・スケールモデルファン(模型雑誌)

を、段ボール一箱買いました 。まるまるさんはこの光景が忘れられない、と仰る。
いやー、それにしても雰囲気の良い模型屋さんでしたね。開放的で、3Dプリンタもあって、工作スペースも完備。夏休みの工作、をこの時打ち出していて、町の工作文化を頑張ってもり立てていこう、という気概が見えました。

ときに、まるまるさんも「昔とはガンプラもいろいろ違うんですねー 」と仰る。


……ニヤリ(沼に沈めんとするモデラーの瞳)。

しかしいけない、ここで「さあアレ買いましょうこれ買いましょう」の連打をしては、せっかく模型に興味を示してくだすったまるまるさんを引かせてしまう ……ここは紳士にならなければ。ぐっと自分を押さえて、まるまるさんの質問に答えるくらいにしておきます。いつでも「ええんやで……買ってもええんやで……作ってええんやでそのSDシナンジュや、Hi-νガンダムも……」と寛容な眼差しをしていました。
(どうもその眼差しが、まるまるさんからしたら、沼に引きずり込む悪の手に見えてたご様子

そんなこんなで、そろそろ時間……ということで、駅へと向かうことに。車内でさっき買ったバーザムがいかに模型界を震撼させているか、というどーでもいい話題を熱弁しつつ(まるまるさんは生暖かい目をしていた)、駅でお土産を買う。そして駅内のドトールで、Zガンダム の話をする。
……バレていたかどうかはわかりませんが、実は残響、ここまでいろんな模型については通じている風な感じで、ガンプラもお手の物でしたが、実はアニメ本編の内容をあんまり知らない、ろくに見てもいない、という始末。
アニメをよく見てらっしゃるまるまるさんの熱いトークに、ときたまついていけてないところが。機体なら!メカなら模型を通してよーく知ってるというのに!幼稚園のころから!(嫌な幼稚園児だな)


そんなこんなで。

残:「あいしゃるりたーん!(c Nagaleさん) いや、いろいろ今回は本当にありがとうございました」
まる:「それではまた、今度はネットでw」


そして段ボールを担いで、彼方のシマーネ農業王国・出雲へと帰って行く残響でありました……(夕日に沈む「ロッキーのテーマ)。


●あとがき

ごめんなさい。完全にわたしが悪いです。というのも、この記事のUP日時を見てもらえればわかるように、一ヶ月以上この「3」 のUPが怠慢していたという事実。
言い訳をすると、

(1)日々の生活が最近やたらドタバタ
(2)その上なぜかこのタイミングで結構長めの文章スランプ
という二重苦になっていて。言い訳おしまい。

ということでしたが、旅行自体はもの凄く楽しかったです 。旅行から今(9月)、日が開いていても、結構こうして思い出せるくらい。
改めまして、今回旅行に関しまして、多大なるお世話になりました、 まるまるさんに、本当に感謝申し上げます。
大原美術館のリベンジも含め、またいずれ……またいずれ!

気心知れた相手とのオフ会は良いものですね。 インターネットを基本として、文章やら同人活動をしている自分ですが、それでも画面を通じて、向こうに居るのはやはり人なのです。積もり積もった文章……「思い」の集積があって、やがて「会いましょうか」になるわけですから。ありがたい話です。
変な話、ネットでの活動が、ひとつ結ばれるようにして結実するのだな 、というか。オフ会を通して。
そんなこんなで、今回ひとつの懸案だった「まるまるさんと岡山で会う」が達成されました。ありがとうございました。
これを読んでくだすった方々に、少しでもたのしさが通じたら、何よりでございます。



●さらにあとがき

……その後、まるまるさんは、ご期待(?)通り、やはり模型の世界に身を投じてくださいました……!

「久しぶりにガンプラを作った」−−Marumaru's TinyPlaza

ビルドファイターズ効果もあり、まるまるさんも模型を……! モデラーとして、こんなにうれしいことはない……!
そんなこんなもあってですね、どんどん模型づく我が界隈でありました。
そして……時系列はまるまるさんの記事よりちょい前になりますが、わたくし、行ってまいりました、参加して参りました、出展側で!
模型展示会に!


(岡山旅行記オフレポ、おしまい)

(「ごうつホビー祭り」オフレポにつづく)






第1回

第2回 

第3回(これ) 


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